化学辞典 第2版 「共有結合半径」の解説
共有結合半径
キョウユウケツゴウハンケイ
covalent bond radius
共有結合を形成する原子間距離が,各原子に付与される固有な原子半径の和で表されるとしたときの原子半径をいう.厳密には,共有結合は同種原子間に形成されるから,共有結合距離の半分として定義される.L.C. Pauling(ポーリング)により与えられた四面体共有結合半径や八面体共有結合半径は,現在,広く利用されているが,実測値を調整し,一部推定値も加えて整理されたものである.結合がほぼ共有結合とみなされる原子間距離については,共有結合半径の和から得られる値と実測値とは,きわめてよく一致する.このことから,逆に,一致しないときはその結合の性質を議論することができる.二重結合や三重結合についても同じように,それぞれの結合半径が与えられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報