化学辞典 第2版 「共通イオン」の解説
共通イオン
キョウツウイオン
common ion
異なる電解質に共通に含まれるイオン.一つの電解質の溶液に,共通イオンをもつほかの電解質を添加するとき,質量作用の法則により前者の溶解度あるいは電離は減少する.たとえば,難溶塩であるAgClの水溶液にKClを加える場合,AgClの溶解度積
cAg+ × cCl- = K
は一定温度では一定であるから,Cl- の増加により Ag+ の濃度,したがってAgClの溶解度は減少する.また,弱電解質であるCH3COOHの水溶液にCH3COONaを加えると,前者の電離は減少する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報