化学辞典 第2版 「凍結真空乾燥装置」の解説
凍結真空乾燥装置
トウケツシンクウカンソウソウチ
freeze dehydration equipment
菌液または血清などを凍結乾燥するためのアンプルに入れて乾燥する装置と,食品,薬品などを大量に乾燥する主として棚段式の装置の二通りのものがある.アンプル式のものは,あらかじめアンプルに材料を入れて真空槽内に並べ,槽内で凍結,乾燥および封栓を完了する.一方,棚段式の大型生産装置は,真空槽内への原料の仕込みおよび乾燥槽外への乾燥製品の搬出は,トレー積載用移動台車によって行う.乾燥原料の大部分を占める水分を昇華させるための熱の供給は,放射加熱板によって与えられる.放射加熱板の内部は,液状加熱媒体が循環するようになっており,スチーム加熱および水冷却用の熱交換器によって,乾燥に必要な範囲の温度を自由に調節制御できる.加熱で昇華した水分は,乾燥槽内に設備されている冷却管からなる凝結器に氷結して捕集される.真空排気系は,メカニカルブースター,エアエジェクターおよび水封ポンプの直列配置によるか,あるいはスチームエジェクターによるのが普通である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報