前席(読み)ぜんせき

精選版 日本国語大辞典 「前席」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐せき【前席】

〘名〙
前方にある席。前の席。
※江吏部集(1010‐11頃)中・述懐古調詩一百韻「応和江納言、前席玉扆辺」
人情本・春色淀の曙(19C中)二「業は落語(はなし)の前席(ゼンセキ)にて、又野幇間(のだいこ)もする故に」

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世界大百科事典(旧版)内の前席の言及

【茶事】より

…それは茶の湯が日常生活それ自体に深く根ざしているところから,今日のような順序次第・約束事にとらわれない,臨機応変の処置がつねに要求されていたのである。
[構成]
 茶事の基本的な構成は,(1)懐石,(2)初炭(しよずみ)(炉では(1)と(2)が逆になる),(3)花,(4)濃茶(こいちや),(5)後炭(ごずみ),(6)薄茶の項目からなり,(1)と(2)を前席(初座),(3)から(6)までを後席(後座)として,その間に中立(なかだち)(茶庭に出て休憩する)を設けて,前後の2段に分けられている。この着想に,茶の湯の独自性があり,この全体を含めて茶の湯世界ということができる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」