前渡村(読み)まえどむら

日本歴史地名大系 「前渡村」の解説

前渡村
まえどむら

[現在地名]各務原市前渡東町まえどひがしまち前渡西町まえどにしまち前渡北町まえどきたまちなど

荒井あらい山の南に位置し、南を木曾川が限る。各務かかみ郡に属し、東は鵜沼うぬま村、西に枝郷下切しもぎり村・山脇やまわき村があった。摩免戸・豆戸・大豆渡・大豆途とも記し、「まめど」とも訓ずる。当村は木曾川による洪水多発地域で地不足が目立ち、二重堤があった。広い河川敷をもち、弘化四年(一八四七)の前渡村前川原絵図(富樫家蔵)には矢熊やぐま(不動)山と木曾川の間の河原に畑地と林が描かれる。尾張国北山名きたやまな(現愛知県丹羽郡扶桑町)との間に前渡渡(山名渡)があり、大正期まで存続。「吾妻鏡」承久三年(一二二一)六月三日条に「摩免戸」(「承久記」は大豆途とする)とみえ、承久の乱に際し幕府方と朝廷方の合戦があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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