各務原市(読み)カカミガハラシ

デジタル大辞泉 「各務原市」の意味・読み・例文・類語

かかみがはら‐し【各務原市】

各務原

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日本歴史地名大系 「各務原市」の解説

各務原市
かかみがはらし

面積:七九・五二平方キロ

県の南端中部に位置し、濃尾平野の北部にあたる。東は加茂郡坂祝さかほぎ町、北東は関市、北西から西は岐阜市と羽島郡岐南ぎなん町・笠松かさまつ町、南は西流する木曾川を境に西から同郡川島かわしま町と愛知県の江南こうなん市・丹羽にわ扶桑ふそう町・犬山市に接する。木曾川北岸に点在する伊木いぎ山・矢熊やぐま(不動)山・三井みい山などの標高一〇〇―二〇〇メートルの小丘に続き、標高二〇―四〇メートルの各務原台地が東西に延びる。台地東側は畑が多く、その東部を大安寺だいあんじ川が南流し木曾川に合流する。台地西側は木曾川の氾濫原にあたり、その北部を西流するさかい川流域は水田地帯である。天正年間(一五七三―九二)以前の境川筋は木曾川の旧流路であったといわれる。現在、境川は蘇原大島そはらおおしま町地内で分流し、南流する境川放水路は新境しんさかい川と称される。市域中央部を東西に国道二一号(旧中山道)・JR高山本線・名鉄各務原線が走り、その南に航空自衛隊岐阜基地が広がる。市街はJR那加なか駅付近を中心に形成され、その南西方に金属団地、同蘇原駅周辺に川崎重工業などの大規模工場が建設されている。市北西端・東端の丘陵には新興住宅団地が形成され、ベッドタウン化も顕著である。なお現市域は旧村などを基準に北西部の那加地区、中北部の蘇原地区、北東部の須衛すえ各務かかみ地区、東部の鵜沼うぬま地区、南西部の稲羽いなば地区に大別されるが、現行の大字・町名はかつての入会地の存在や近代以後の開発の波などによって、細分化されているのが特徴。

現市域の大部分は律令制の時代以来各務郡に属した。藤原宮跡出土木簡に「(表)己亥年九月三野国各(美カ)」とみえ、これは己亥年すなわち文武天皇三年(六九九)に作成された「三野国各美評」の荷札と解されている。大宝二年(七〇二)の戸籍(正倉院文書)には「御野国各牟郡」とみえ、その後各務郡となった。各務原台地はかつて各務野ともよばれ、各務原の名が生れた。

〔原始・古代〕

先土器時代の遺跡は、各務原台地縁辺の利水と防御を兼備した地形にみられる。その分布は鵜沼地区の嫁振よめふり遺跡・内野前うちのまえ遺跡・植野うえの遺跡・星塚ほしづか遺跡、蘇原地区の西之野にしのの遺跡・六軒ろつけん遺跡、蘇原・那加地区の山地下である境川・とどろき川流域の段丘上に宮代みやだい遺跡・芦原あわら遺跡・桐野きりの遺跡・土山西どやまにし遺跡となっている。遺物の中心はナイフ形石器で、尖頭器の出土や採集地数は少ない。細石器の出土は内野前・桐野両遺跡のみで、有舌尖頭器の出土地がこれを上回る。縄文遺跡は先土器時代と複合するものを含め三〇ヵ所余が確認され、早期は丸子山まるこやま遺跡、中期遺跡の多くは台地上小河川沿いにみられる。


各務原市
かかみがはらし

2004年11月1日:各務原市が羽島郡川島町を編入
【川島町】岐阜県:羽島郡
【各務原市】岐阜県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「各務原市」の意味・わかりやすい解説

各務原〔市〕
かかみがはら

岐阜県南部,木曾川中流域にある市。 1963年稲羽町,鵜沼町,那加町,蘇原町の4町が合体して市制。 2004年川島町を編入。『延喜式駅伝条』には東山道各務駅 (現在の鵜沼) の名があり,古い歴史を有する。市域は木曾川北岸に広がる標高 20~60mの洪積台地各務原にあり,市名もそれに由来。各務原は強酸性土の不毛地で,明治以降は陸軍の大砲演習場と飛行場,第2次世界大戦後はアメリカ軍基地,航空自衛隊基地と軍用地の歴史を変遷。伝統的機業と紡績工業のほか,1923年以降の航空機工場とその関連工場が多い。岐阜県金属工業団地が造成され,工場は国道 21号線 (中山道) ,JR高山本線,名古屋鉄道各務原線に沿って立地。工業の発展と岐阜市の近郊住宅地化により,人口増加率は高い。市内出土の考古,民俗資料などが市総合図書館の埋蔵文化財調査センターに集められている。蘇原の山田寺の塔心礎に納置されていた銅壺は国の重要文化財。東端に日本ラインの終点鵜沼がある。市域の一部は飛騨木曾川国定公園に属する。東海北陸自動車道のインターチェンジがある。面積 87.81km2。人口 14万4521(2020)。

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