剰余価値率(読み)じょうよかちりつ

百科事典マイペディア 「剰余価値率」の意味・わかりやすい解説

剰余価値率【じょうよかちりつ】

労働力購入に投じた資本部分(可変資本)を分母とし,剰余価値分子とする比率。剰余価値と資本総額との比率である利潤率よりも,資本による労働の収取度を示す。必要労働時間と剰余労働時間の比,支払労働と不払労働の比でも表される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の剰余価値率の言及

【資本論】より

…第2巻は,第1編〈資本の姿態変換とその循環〉,第2編〈資本の回転〉,第3編〈社会的総資本の再生産と流通〉から成る。第3巻は,第1編〈剰余価値の利潤への転化と,剰余価値率の利潤率への転化〉,第2編〈利潤の平均利潤への転化〉,第3編〈利潤率の傾向的低下の法則〉,第4編〈商品資本と貨幣資本の,商品取扱資本と貨幣取扱資本への転化(商人資本)〉,第5編〈利子と企業者利得とへの利潤の分裂,利子生み資本〉,第6編〈超過利潤の地代への転化〉,第7編〈収入とその源泉〉から成る。
【第1巻の構成】
 第1~2編で,商品→貨幣→資本のカテゴリーの展開を後づけ,とくに商品の章で〈労働の二重性〉に基づくマルクス特有の労働価値説と〈価値形態〉論とを提示し,やがて〈労働力の売買〉を媒介に第3編以下の生産過程の分析に入っていく。…

【剰余価値】より

…資本家は労働者の労働によって生み出された生産物全体を販売することによって,可変資本を回収すると同時に,剰余労働,剰余生産物を剰余価値として獲得することになる。これら資本家と労働者の価値をめぐる関係を表示するものとして,を剰余価値率とよぶ。 また,自分の労働で作ったものは自分のもの,あるいは自分の自由になるもの,という観点にたてば,労働者に支払われたのは必要労働の部分だけで,剰余労働の部分は不当にも支払われず,不払労働ということになり,その部分は,労働者は資本家から搾取されているということになる。…

※「剰余価値率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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