可変資本(読み)かへんしほん

百科事典マイペディアの解説

可変資本【かへんしほん】

生産に投じられる資本のうち,生産過程でその価値の大きさの変わる資本部分。賃金に投下される資本がこれに当たる。すなわち労働力そのものである。賃金で雇われる労働者の労働力は,その等価物以上の価値(剰余価値)を生産し,これが資本の所有者の儲(もうけ)の源となる。価値の変わらぬ不変資本に対する。
→関連項目資本の有機的構成剰余価値率

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大辞林 第三版の解説

かへんしほん【可変資本】

資本のうち、労働力の購入にあてられる部分。労働力は生産過程でその価値の大きさを変じ、自らの価値以上の超過分(剰余価値)を生み出すとされる。 ⇔ 不変資本

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世界大百科事典内の可変資本の言及

【固定資本・流動資本】より

…前者が固定資本であり,後者が流動資本である。なお生産資本中の可変資本は,生産資本としては労働力そのものであり,けっして価値移転を行うものではない。それは価値をまったくあらたに創造するものにほかならない。…

【剰余価値】より

…この最初の4時間分のことを必要労働といい,資本家にとっては労働者を雇うための支払分を意味する。この支払分は,価値量を新しく増加しうる労働力に対して支払われ投ぜられるところから,可変資本(variables Kapital。vと略す)とよばれる(不変資本・可変資本)。…

【生産資本】より

…貨幣の投下と回収を通ずる資本の価値増殖も,こうした生産資本の機能にもとづく価値形成(剰余価値の生産)に根拠をもっているといえよう。 ところが資本の生産過程における価値形成にさいして労働力と生産手段がそれぞれ異なる役割を演じるために,マルクス経済学では両者を可変資本(不変資本・可変資本)および不変資本として質的に区分する。生産手段は,消費されるにしたがってその価値を商品生産物に移転するだけで,価値量に変化をもたらさないという意味で不変資本とよばれる。…

【不変資本・可変資本】より

…これが剰余価値にほかならない。 したがって,生産手段のように価値をたんに移転するにすぎない資本は,生産過程にあっても価値量は不変のままにとどまるので不変資本(通常Cと略記される)と呼ばれ,労働力は,結果的に価値を増大するので可変資本(同様にV)と呼ばれる。いま剰余価値をmとすれば,生産物価値はCVmでもって表現され,生産過程ではCが不変のままVVmに増殖すると考えられるのである。…

※「可変資本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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