力松(読み)りきまつ

朝日日本歴史人物事典 「力松」の解説

力松

生年生没年不詳
近世肥前(長崎県)島原漂流民。肥後川尻(熊本市)の庄蔵船頭とする船の少年船員として島原から帰航中に漂流。ルソン島に漂着し,マカオへ送られ,宣教師ギュツラフの保護を受ける。音吉ら尾張漂流民3人と共にモリソン号で送還され砲撃されて帰国を断念,イギリス婦人と結婚して香港に定住した。庄蔵,音吉らと共に日本人漂流民送還に尽力した。イギリス艦隊通訳として安政1(1854)年に箱館,長崎に来航している。<参考文献>春名徹「『英国市民』力松の孤独」(『世界を見てしまった男たち』),「安政二年三月十六日箱館奉行上申書」(『幕末外国関係文書』10巻),「英国軍艦長崎ニ渡来条約副章談判一件」(『続通信全覧』)

(春名徹)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「力松」の解説

力松 りきまつ

?-? 江戸時代後期の漂流民。
ルソン島に漂着し,マカオにすむ。天保(てんぽう)8年(1837)モリソン号で送還されるが,砲撃をうけて帰国できなかった(モリソン号事件)。のち香港に定住し,安政2年イギリス艦隊の通訳として箱館(はこだて),長崎に来航した。肥前島原(長崎県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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