勿体無(読み)もたいな

精選版 日本国語大辞典の解説

もたい‐な【勿体無】

(形容詞「もたいなし」の語幹) もったいないこと。感動表現に用いる。
※春曙抄本枕(10C終)二九六「あなもたいなの事どもや」

もたい‐な・し【勿体無】

※却癈忘記(1235)上「文(ふみ)さうにかく事、もたいなき事也」

もったい‐な【勿体無】

(形容詞「もったいない」の語幹。感動表現に用いる)
① 不都合なこと。不届きなこと。
謡曲正尊(1541頃)「あら勿体なや」
御伽草子酒呑童子(室町末)「ただ今仰せをよく聞けば悪逆無道の人と聞く。あらもったいなやあさましや」
② おそれ多いこと。かたじけないこと。
浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)中「なふもったいなや。我らにさやうな悪心なし」
③ 惜しいこと。

もったい‐な・い【勿体無】

〘形口〙 もったいな・し 〘形ク〙
① あるべきさまをはずれていて不都合である。不届きである。もってのほかである。もたいなし。
※宇治拾遺(1221頃)一「あはれ、もったいなき主哉。こがやうにはだかになしてあさらんには」
② おそれ多い。身に過ぎてかたじけない。
※空華日用工夫略集‐永和四年(1378)九月一六日「一向似公方而被上レ敵、甚無勿体
※虎明本狂言・右流左止(室町末‐近世初)「是は言語道断もったいなきお言葉かな」
③ 使えるものが捨てられたり、働けるものがその能力を発揮しないでいたりして、惜しい感じである。
※太平記(14C後)三五「其の上大家の一跡、此の時断亡せん事無勿体(モッタイなク)候」
※仮名草子・智恵鑑(1660)五「かの銭をなげんとせられしを、近習の人々おしとどめ、これは勿躰(モッタイ)なき事をし給ふ物かな」
もったいな‐が・る
〘他ラ五(四)〙
もったいな‐げ
〘形動〙
もったいな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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