普及版 字通 「匈」の読み・字形・画数・意味
匈
6画
[字訓] むね・おそれる
[説文解字]
[字形] 象形
側身形の人の胸部に、呪飾としての×形の文身を加えた形。会意として勹(ほう)+凶と解してもよいが、(包)と同じように全体象形の字とする。〔説文〕九上に「膺(むね)なり」とし凶(きよう)声とするが、形声の字ではない。凶・兇・匈・胸・恟は一系の字。兇懼のことは最も胸に感ずるものであるから、恟という。
[訓義]
1. むね。
2. おそれる、むなさわぎする。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕匈 ワクツカフ・ムネ 〔字鏡集〕匈 アシ・ム(ネ)ツカフ・ナヤマス・コヱ・エヒス
[声系]
〔説文〕に匈声として・洶の二字を収める。の正字は。不安のとき胸に衝撃を受けるので、凶声・匈声の字におそれる意がある。
[語系]
匈(胸)・凶・兇・()・洶xiongは同声。凶事について恐懼・不安の意をもつ。水には洶涌という。(虐)ngikも関係のある語であろう。
[熟語]
匈横▶・匈臆▶・匈▶・匈虐▶・匈匈▶・匈懼▶・匈中▶・匈忍▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報