北海道屯田兵制度(読み)ほつかいどうとんでんへいせいど

日本歴史地名大系 「北海道屯田兵制度」の解説

北海道屯田兵制度
ほつかいどうとんでんへいせいど

一冊 上原轍三郎著 北海道庁拓殖部 大正三年刊

解説 屯田兵制は北海道および樺太警備の任務を帯び、同時に開拓の業推進のための独特の制度であった。明治八年に創設され、以後同三六年の制度廃止まで続き、その間約七千戸・四万人が道内要地三七兵村に配置され、約七万五千町歩の未開地が処分された。本書は、この拓殖政策の面に重点を置き、その推移と成果について詳細に記述したものであり、兵制全体の包括的系統的な研究としてはほとんど唯一のものである。現在見ることのできない多くの資料が利用されていて、公的な事業報告に代わる内容をもつ。近年ようやく北海道教育委員会「屯田兵村(昭和四三年刊)、伊藤広「屯田兵村の百年」(上・中・下、昭和五四年刊)などが出版されて新しい研究の視野が開かれた。

構成 第一編(九章。北海道屯田兵制度)、第二編(一二章。北海道屯田兵制度ノ成績)、第三編(八章。屯田兵制度ノ北海道拓殖ニ及ボセシ影響)、結論(拓殖上ヨリ見タル本制度ノ批判)、附録北海道屯田兵制度沿革表。本文四〇八頁。昭和四八年復刻。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報