普及版 字通 「匱」の読み・字形・画数・意味
匱
14画
(異体字)櫃
18画
[字訓] はこ・とぼしい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は貴(き)。匚(ほう)は方形の容器の形。貴は貝を両手で捧げる形で、貝貨の類をいう。〔説文〕十二下に「匣なり」、匣字条に「匱なり」とあって互訓。〔荘子、篋〕に「篋を(ひら)き、(ふくろ)を探り、匱(はこ)を發(あば)くの盜」とあり、大きなものを匱、次に匣、小なるものを(とく)という。国家の重要な文書の類は、これを石室金匱に蔵した。字はのち櫃に作る。匱乏の意は通用の義。
[訓義]
1. はこ、ひつ、方形のはこ、大きな方形のはこ。
2. おり、木で組んだ容器。
3. 簣と通じ、あじか。
4. ・潰・困と通じ、とぼしい、つきる、まずしい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕匱 トモシ・ツクス・スクナシ・ツヒユ・ツヒニ・ソコナフ 〔字鏡集〕匱 ツヒニ・ツク・ハフ・トモシ・ソコナフ・ツクス・スクナシ・ツヒユ
[声系]
匱声の字に櫃・があるが、みな匱の繁文。匱を匱乏の意に用いるので、分別の字が作られた。
[語系]
匱・櫃giutは同声、繁簡の字。匱を匱乏の意に用いるのは、・潰hut、困khunと声近くして通ずるのであろう。
[熟語]
匱餓▶・匱窮▶・匱竭▶・匱欠▶・匱涸▶・匱財▶・匱止▶・匱少▶・匱絶▶・匱餒▶・匱▶・匱乏▶・匱糧▶
[下接語]
匱・窮匱・金匱・窘匱・空匱・傾匱・匱・財匱・疲匱・匱・貧匱・乏匱・糧匱
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報