区域切除(読み)くいきせつじょ

日本大百科全書(ニッポニカ)「区域切除」の解説

区域切除
くいきせつじょ

臓器や腺の特定の区域を外科的に切除する術式。癌(がん)の治療などに用いられる。肝臓は右葉と左葉、肺は右が上葉と中葉と下葉、左が上葉と下葉といったように、葉によって区分され、さらに葉は血液やリンパ液など体液の通り道である脈管に沿っていくつかの区域に分けられる。区域切除は、肝癌や肺癌などの場合、対象となる病変が葉より小さな区域内に限定される場合にその区域のみを切除するもので、侵襲の少ない縮小手術と総称される術式の一つである。区域はさらに細かい亜区域よりなり、亜区域のみを切除する場合は亜区域切除術という。癌病変のみを切除する場合は部分切除とよび、これがもっとも侵襲の少ない縮小手術である。

 しかし肺癌に対しては区域切除で術後の再発率が高いことが指摘され、さらに大きい単位を切り取る肺葉切除術と周囲のリンパ節郭清(かくせい)が標準的な術式となっている。そのため肺区域切除は、呼吸機能を温存する必要があるなど肺葉切除術を行うことができない場合に限って行われてきた。しかし診断技術の進歩から癌が早期に発見できるようになり、初期の小さな肺癌に対しては区域切除とリンパ節郭清による術式が見直されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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