十二使徒の教え(読み)じゅうにしとのおしえ(その他表記)Didachē kyriou dia tōn dōdeka Apostolōn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十二使徒の教え」の意味・わかりやすい解説

十二使徒の教え
じゅうにしとのおしえ
Didachē kyriou dia tōn dōdeka Apostolōn

ディダケともいう。1~2世紀頃の新約聖書外典の一つ。正典外原始キリスト教文献中最も重要。エウセビオスアタナシウス,ヒエロニムスなど初代教父はしばしばこれを引用していたが,その後失われ,クラウツキーは種々の原典の比較照合からこれを再構成した。 1875年ニコメディアの大主教フィロテオス=ブリュエンニオスが 11世紀に書かれた小文字ギリシア語写本を発見,全文が確定した。その後ギリシア語,コプト語,シリア語,アラム語などの断片も発見された。全編 16章3部より成る。第1部では「生命の道」と「死の道」という2つの道を通じて信仰が説かれ,第2部は典礼規定,教会規定,放浪宣教者の処遇,第3部は小黙示録的な記録である。使徒後教父時代のものであるが,成立年代には各説 (80~100年,120~130年,160年) があり,著者も不明。

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