半ペラギウス説(読み)はんペラギウスせつ(その他表記)Semi-Pelagianism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半ペラギウス説」の意味・わかりやすい解説

半ペラギウス説
はんペラギウスせつ
Semi-Pelagianism

16~17世紀の主としてカトリック神学界に登場した用語。マッシリア派ともいう。 429年頃から 529年頃にかけて,J.カッシアヌス,レランのビンケンチウス,リエの司教ファウスツスらに支持されて,南ガリアに栄えた恩恵に関する教説をさす。ペラギウス派 (→ペラギウス説 ) が救霊のためには人間の努力だけで十分であるとしたのに対して,アウグスチヌスは恩恵の絶対必要性を唱えたが,半ペラギウス派は中間をとって救いには恩恵が絶対必要だが,それを受入れるかどうかという第1歩は人間の力だけで十分であるとした。この説は 529年のいわゆるオランジュ第2教会会議で異端とされ,のちにトリエント公会議 (1545~63) でも再確認された。

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