単純疱疹(読み)たんじゅんほうしん(その他表記)herpes simplex

翻訳|herpes simplex

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「単純疱疹」の意味・わかりやすい解説

単純疱疹
たんじゅんほうしん
herpes simplex

単純ヘルペスウイルス感染症。同ウイルスには1型と2型があり,病変が異なる。 (1) 1型による病変 初感染病変と再発性病変とに大別される。初感染は乳幼児期であるが,大部分が不顕性感染で,きわめてまれに重いウイルス血症,疱疹性脳炎,歯肉口内炎,外陰腟炎,肛囲炎,湿疹 (カポシー水痘様発疹症) などが起る。あと3者では紅暈,中心臍窩のある小水疱がそれぞれの部位に散発ないし多発し,激痛を伴い,所属リンパ節ははれて痛みがある。高熱を発し,全身状態は著しく侵される。一方,再発性病変では口唇その他の部位に限局性に特有の小水疱が多発し,ときに所属リンパ節がはれる。表皮細胞の核内に潜伏していたヘルペスウイルスの活性化によるもので,発熱,疲労,日光照射,寒冷などで誘発される。全身状態はほとんど侵されない。 (2) 2型による病変 陰部疱疹,疱疹性子宮頸部炎などがある。2型に対する血清抗体価は思春期以降に上昇する例が多く,感染は保菌者との性行為によることが多い。このような意味で,これらの疾患は性行為感染症ともみられる。

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