化学辞典 第2版 「単電子デバイス」の解説
単電子デバイス
タンデンシデバイス
single electron device
電子1個の動きに対応する電荷の変化を検出して0と1をつくりだそうとするデバイス.究極の電子デバイスと考えられる.熱のじょう乱により信号が変化してしまう可能性があり,常温では電子を閉じ込める領域を小さくしなければならず,技術的に難しいとされており,液体ヘリウムの極低温でしか動作が確認されていなかった.しかし,3 nm 膜厚のポリシリコン極薄膜シリコンや,SIMOX(separation by implanted oxgen)技術の応用で酸化を利用したPADOX(pattern-dependent oxidation)法により,10 nm 以下の細線にすると電子を単体で閉じ込めることが可能となり,室温動作ができるようになった.前者の技術を用いた128 MBit の単電子メモリーの報告がある.[別用語参照]量子ドット,クーロンブロケイド
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報