改訂新版 世界大百科事典 「双合診」の意味・わかりやすい解説
双合診 (そうごうしん)
vaginal bimanual examination
婦人科における基本的診察法の一つで,腟双合診あるいは腟腹壁双合診ともいう。また,通常たんに内診(広義)internal(vaginal) examinationともいう。
患者に排尿させた後,婦人科診察台(内診台ともいう)上に仰臥させて,砕石位(ひざを曲げ,両大腿をそれぞれ左右外方に倒して股を大きく開いた姿勢)をとらせる。片方の手の示指と中指の2本を腟内に挿入して内診指とし,もう一方の手を恥骨結合より少し上方の腹壁上においてその手指を外診指とし,内診指と外診指とを相呼応させて内性器を触診する。ちなみに狭義の内診は,片方の手指を腟内に挿入して診察する方法で,双合診の一部をなしている。子宮腟部,子宮頸部,子宮体の位置,大きさ,形,硬さ,表面の状態,圧痛および移動性の有無,卵管,卵巣などの付属器の腫大,腫瘤,圧痛および移動性の有無,ダグラス窩(か)の状態などを触診する。未婚の婦人などで通常の腟双合診が行えない場合には,直腸に挿入した示指と腹壁上の外診指とで直腸腹壁双合診を行う。なお,双合診とともに,外陰部の視診,腟鏡診による腟壁や子宮腟部の視診も行う。
執筆者:加藤 順三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報