取下ろす(読み)トリオロス

デジタル大辞泉 「取下ろす」の意味・読み・例文・類語

とり‐おろ・す【取(り)下ろす】

[動サ五(四)]
上にあるものを取って下に置く。「棚から品物を―・す」
貴人の前から物を下げる。
「さらば、(オ膳カラ)―・して…とてまかなひ騒ぐほどに」〈・九九〉
垂れ下がった髪の先を剃り落とす。
「夢に、わがかしらを―・して、額を分くと見る」〈かげろふ・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取下ろす」の意味・読み・例文・類語

とり‐おろ・す【取下】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 上にある物を手に取って下に置く。
    1. [初出の実例]「髪みじかき人の、物とりおろして、髪けづりたるうしろで」(出典:枕草子(10C終)一二五)
  3. 貴人の前から物をさげる。
    1. [初出の実例]「御硯とりおろして、『とくとく、ただ思ひまはさで〈略〉ふとおぼえんことを』と責めさせ給ふに」(出典:枕草子(10C終)二三)
  4. 頭髪などをたらしさげる。
    1. [初出の実例]「廿日ばかりおこなひたる夢に、わが頭をとりおろして、ひたひをわくとみる」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android