… 日本の出版流通はたいへん効率よく組織されている。いわゆる正常ルートと呼ばれる,出版社→取次店(問屋)→小売書店,のチャンネルによって,総出版物の半ば以上が,自動的に全国に流れ,読者の目に触れるしくみになっており,流通費(流通部門のとるコミッション)は,相対的には世界で最も安い。しかし近年出版物の消費化(マスプロ・マスセール化)が進み,後に述べるような種々の問題を生じたため,正常ルート以外に,生協(大学生活協同組合)ルート,月販(割賦(かつぷ)販売)ルート,即売(スタンド)ルート,直販ルート(ダイレクト・メール,ブッククラブなど),コンビニエンスストア・ルート,鉄道弘済会ルート,教科書ルートなど新旧各種の販売チャンネルが開発され,多様化を進めている。…
※「取次店」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」