日本大百科全書(ニッポニカ) 「古湯・熊の川温泉」の意味・わかりやすい解説
古湯・熊の川温泉
ふるゆくまのかわおんせん
佐賀市富士町古湯(ふじちょうふるゆ)と富士町上熊川(かみくまかわ)にある山峡の温泉。佐賀市街地北方約10キロメートルの川上(かわかみ)峡から、国道323号で脊振(せふり)山地の川上川渓谷(嘉瀬(かせ)川渓谷)を約8キロメートルさかのぼると、中国の文学者郭沫若(かくまつじゃく)が留学中滞在した熊の川温泉がある。さらに峡谷を約4キロメートルさかのぼると、斎藤茂吉(もきち)の歌碑が立つ古湯温泉に出る。古湯・熊の川温泉郷として国民保養温泉地に指定される。古湯は単純温泉、熊の川は放射能泉。古くからの湯治場で、佐賀平野部の奥座敷といわれ、川上金立県立自然公園(かわかみきんりゅうけんりつしぜんこうえん)の景勝地にある。
[川崎 茂]