峡谷(読み)きょうこく(英語表記)canyon

翻訳|canyon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

峡谷
きょうこく
canyon

両岸が高く切立った急から成るの狭い隆起運動の激しい地域で,谷が横へ広がるより早く下刻が進む場合に形成される。地殻運動の激しい造山帯に属する日本では,黒部峡谷天竜峡,飛水峡など多くの例がみられるが,大陸地域でもアメリカのグランドキャニオンのように,新たな地塊の隆起に伴う先行性河川の下刻によって形成される場合がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうこく【峡谷 gorge】

谷の両側が急な崖となっていて,幅に比較して深く狭い谷をいう。したがって谷の横断面はV字形を示し,谷壁はときに垂直の絶壁をなす。谷底には平たんな所が少なく,谷床平たん面を欠く。峡谷は,谷壁をなす部分の岩石が硬くて急崖を保持できるような所,河床勾配が急で下刻が活発に行われる所,先行谷や表成谷として山地を横切る所,すなわち河川の流路が決定された後に隆起などで生じた山地をそのままの流路を保って下刻した場合(先行谷)や,河川が基盤の構造に無関係にそのまま流路を保って下刻した場合(表成谷)などに形成される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

峡谷
きょうこく

深いわりには幅の狭い谷。両岸の谷壁斜面が垂直またはこれに近い急傾斜をなす。峡谷ができるためには、全体の平均高度が高く、侵食基準面まで下刻するのに十分な余地があること。河床勾配(こうばい)が急で下刻が活発に行われること。谷壁の岩石が硬くて急勾配を保持できること。乾燥気候下にあり、谷壁の雨食や風化が進行しないことなどが必要である。世界的に有名なアメリカのグランド・キャニオンはコロラド川が延長450キロメートルにわたって、平均1600メートルの深さの谷をうがっている。ここでは、台地の最上部にある新生代の溶岩から谷底に露出する始原代の変成岩までを下刻によって露出させている。ヨセミテ峡谷は花崗(かこう)岩の垂直な絶壁で有名である。山茂美]

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精選版 日本国語大辞典の解説

きょう‐こく ケフ‥【峡谷】

〘名〙 幅が狭くて、両側のがけが高くけわしい谷。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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世界大百科事典内の峡谷の言及

【登山】より

…登降路の指針として,あるいは登山の記念としてピラミッド状に石を積み上げたもの。 ゴルジュgorge廊下。谷の両側の岩壁がそばだって迫り合った深い谷。…

【谷】より

…谷の横断面の形によって谷底の平らな平底谷または床谷,谷壁斜面が緩やかな凹形を示す盆谷,谷底に平地を欠く欠床谷またはV字谷などに分けることができる。谷壁斜面が垂直に近く,谷の幅の狭いものを峡谷という。山脈や地層の走向と平行に延びる谷を縦谷といい,山脈を横切る谷を横谷という。…

※「峡谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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