台湾音楽(読み)たいわんおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「台湾音楽」の意味・わかりやすい解説

台湾音楽
たいわんおんがく

台湾には,(1) 台湾先住民音楽,(2) 明,清朝からの移住民音楽,(3) 日本の統治以来の西洋音楽の3種がある。 (3) については,日本統治時代には,日本の学校唱歌や流行歌を主とした。 (2) の中国系音楽は,清朝以来,おもに福建広東から移住した中国人がもたらしたもので,台北,台南の孔子廟に中国古来の儒教雅楽が伝わり,華南系の民族音楽の南管と華北系の北管とがある。長い間に定着したいわゆる台湾人のなかからは民謡が生れたが,中国からもってきた民謡と似たものである。 (1) の台湾先住民の音楽はそれぞれの民族別に特色がある。大きくは,(a) テトラコード群 (アタヤル,サイシヤット) ,(b) ファンファーレ和音合唱群 (ブヌン,ツオウ) ,(c) ペンタトニック群 (アミ,サウ,パイワン,プユマ) ,(d) ドローン唱法群 (ルカイ,パイワンの一部) ,(e) エンゲメロディー群 (ヤミ) に分類できる。和音唱法のあること,太鼓とゴングがないこと,弓琴,口琴,縦笛,鼻笛,鈴などしかないことなどが大きな特色である。

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世界大百科事典(旧版)内の台湾音楽の言及

【台湾[省]】より

…西海岸南部の先史時代末期は赤褐色素面含砂陶の時代で,この文化は漢族入植の時期まで持続する。【国分 直一】
[台湾音楽]
 高山族と漢民族の音楽に二大別できる。高山族の音楽は多彩で,声楽は和音,カノン,平行,変奏曲,ドローン,ファルセット,対位法,応答などの基本唱法の原始形態を有している。…

※「台湾音楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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