20世紀日本人名事典 「吉田又次郎」の解説
吉田 又次郎
ヨシダ マタジロウ
昭和期の浪曲師,市民運動家 むつ小川原開発反対同盟会長。
- 生年
- 明治44(1911)年6月22日
- 没年
- 昭和59(1984)年
- 出生地
- 青森県上北郡六ケ所村
- 経歴
- 16歳の時に失明。尺八、三味線、民謡を習い、25歳の時から浪曲師となり、東日本を巡業した。昭和28年郷里である青森県六ケ所村が凶作に見舞われると壮年同志会を結成、青森県当局に679俵の救援米を放出させ、村の窮状を救った。32、33年には農家の二、三男のため国有地を払い下げる運動の闘争委員長として活躍。46年むつ小川原開発計画実施のための住民対策大綱が発表され、土地取得のため9614人の住民立ち退きを迫る内容が判明すると、寺下力三郎村長に開発反対を働きかけ、寺下らと開発反対同盟を発足。47年知事に計画の白紙撤回を申し入れたが、48年村長選で寺下が敗れ、開発賛成派の村長が登場すると反対同盟は勢いを失い、会長を辞任した。その後、アラブ石油戦略の影響で開発計画は足踏み状態となり、規模も縮小された。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報