化学辞典 第2版 「同位体ピーク」の解説
同位体ピーク
ドウイタイピーク
isotope peak
質量スペクトル中に現れる,天然存在比の少ない同位体を含んだイオンの示すピーク.地球上の天然炭素中には,13C が約1.1% 含まれているので,炭素をn個含んだ質量数が1だけ大きいイオンは,12C だけにより構成されている同じイオンの1.1 × n % 出現する.したがって,炭素数の大きいイオンについては無視できず,ほとんどの有機化合物の質量スペクトルには同位体ピークを含んでいることになる.しかし,同位体ピークとよぶのは,主として 13C を1個以上含んだイオンによって示されるピークをいい,iピークともいう.また,ClやBrのように同位体存在度の大きい原子もあり,同位体ピークの高さの比から未知物質の質量スペクトルにより,その元素組成を解析できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報