同位体ピーク(読み)ドウイタイピーク

化学辞典 第2版 「同位体ピーク」の解説

同位体ピーク
ドウイタイピーク
isotope peak

質量スペクトル中に現れる,天然存在比の少ない同位体を含んだイオンの示すピーク.地球上の天然炭素中には,13C が約1.1% 含まれているので,炭素をn個含んだ質量数が1だけ大きいイオンは,12C だけにより構成されている同じイオンの1.1 × n % 出現する.したがって,炭素数の大きいイオンについては無視できず,ほとんどの有機化合物の質量スペクトルには同位体ピークを含んでいることになる.しかし,同位体ピークとよぶのは,主として 13C を1個以上含んだイオンによって示されるピークをいい,iピークともいう.また,ClBrのように同位体存在度の大きい原子もあり,同位体ピークの高さの比から未知物質の質量スペクトルにより,その元素組成を解析できる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android