名乗(読み)なのり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「名乗」の意味・わかりやすい解説

名乗
なのり

(1)公家(くげ)や武家などで、その男子が元服・成人のときに、幼名・通称にかえてつける実名または本名のこと。父親または名付け親の名の一字(片名(かたな))をとってつける場合が多かった。名乗は字音(じおん)を使わず、また字訓(じくん)も常訓と異なるものが多く、また字性と人性の相克を嫌い、相生(そうせい)を考慮に入れたりしたので、難訓のものも少なくなかった。このため江戸時代には各種の名乗字引(じびき)、名乗字彙(じい)が板行された。(2)名告(なのり)とも書く。未知の相手に対し、自分の姓名を告げ知らせる行為。源平合戦のころは、戦場で敵と遭遇すると、声高々と本国、家系、氏名、年齢、戦歴などを名告り合って戦いに臨んだが、南北朝時代以後、武器に槍(やり)が加わり、集団戦闘が主となると、しだいにその意義を失った。さらに室町末期に鉄砲が出現すると、敵味方の距離も開き、そのうえ戦闘も激烈化して、戦場の名告は旗指物(はたさしもの)(馬印、幟旗(のぼりばた)、指物など)や、全軍朱一色に統一した井伊家の朱具足(あかよろい)などの甲冑(かっちゅう)類にみられる目による標識へと変化していった。

[渡邉一郎]

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