生まれた児(こ)の命名を契機に設けられる仮の親。ナオヤ、ナゾエオヤともいい、実の親以外の者を選んで名前をつけてもらい、仮の親子の関係を結んで、将来の生活の後見にあずかるかわり、コカタ(子方)として奉仕することになる。現在は生児の命名は家族(親)内でする風が一般化したが、なお他人に命名を頼む風習も広く残っている。かつてはむしろ他人に命名を頼み、将来の生活の後見・保証に資するのが一般的風習であった地方がかなり多く、「本家」あるいは身分的に上位の有力者を名付け親にたてるのが通例であった。その点は成年に際しての「仮親」選びと共通していた。一方、実の親に「厄年」その他不安な条件がある場合に、一種の「まじない」として形式的な「捨て子」や神仏の「取子(とりご)」が行われると、そうした呪術(じゅじゅつ)的な拾い親・養い親や神官・僧侶(そうりょ)も「名付け親」を兼ねる形が多かったが、このほうは通例「拾い親」「申し子」「取子」として、いちおうは別に扱われた。今日でも、職場の上役や学窓の恩師に生児の命名をとくに頼んだり、あるいは結婚の仲人(なこうど)親の縁でその依頼をもする風習も、同じく有力な後見人をたてたいという願望を含んでいるといえよう。
[竹内利美]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加