日本大百科全書(ニッポニカ) 「名付け祝い」の意味・わかりやすい解説
名付け祝い
なづけいわい
生児の命名およびその祝いの儀礼。社会的に生児の人格が認められる儀礼でもあり、一般に生後7日目とする所が多いが3日目、5日目、6日目、8日目、11日目、14日目などとする所もある。この日までの間も名前がないと災難にあうといい、生まれるとすぐ仮の名をつける所もある。生児の命名には子供の幸せと親の期待が込められている。そのために文字を選んだり苗字(みょうじ)とのつり合いを考えたりしてできるだけよい名をつけようとする。祖父母などの名を一字とってつける所もある。親が名付けをするほか長寿の人、子福者、取上げ親、有力者などを名付け親として頼み、生涯その子と親しくつきあったりする。いくつかの名前をそれぞれの紙に書いて神に供え、神の箸(はし)や御幣(ごへい)でかき混ぜ、そこについてきた名前をつけ「神に決めてもらった」という所もある。名前が決まると紙に書いて神棚や床の間に貼(は)り、客を招いてナビロウ、ナビラキ、ナキキ、ナカマイリ、イトコノナノリなどとよぶ披露宴を張る。このとき生児の膳(ぜん)にナツケイシといって、きれいな小石を添える所もある。
[倉石忠彦]