吐前王子跡(読み)はんざきおうじあと

日本歴史地名大系 「吐前王子跡」の解説

吐前王子跡
はんざきおうじあと

[現在地名]和歌山市吐前 御幸

跡地は紀ノ川南岸の自然堤防上にあるが、現在は蜜柑畑や田畑となり、わずかに砂岩質の一石五輪塔と石灯籠の一部が残る。熊野九十九王子の一で、紀ノ川北岸の楠本くすもとにあった中村なかむら王子に次ぐ順路にあたり、次いで和佐わさ王子(以上現和歌山市)へ通じる。「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月八日条に「次参中村王子、次入昼養はんさき仮屋、所従等無沙汰、其所甚荒、於此所有非時水コリ、相待御幸甚遅、忠信少将参会、小時先参此王子ハンサキ」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android