吐前王子跡
はんざきおうじあと
跡地は紀ノ川南岸の自然堤防上にあるが、現在は蜜柑畑や田畑となり、わずかに砂岩質の一石五輪塔と石灯籠の一部が残る。熊野九十九王子の一で、紀ノ川北岸の楠本にあった中村王子に次ぐ順路にあたり、次いで和佐王子(以上現和歌山市)へ通じる。「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月八日条に「次参中村王子、次入昼養仮屋、所従等無沙汰、其所甚荒、於此所有非時水コリ、相待御幸甚遅、忠信少将参会、小時先参此王子ハンサキ」とみえる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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