周口店動物群(読み)しゅうこうてんどうぶつぐん

改訂新版 世界大百科事典 「周口店動物群」の意味・わかりやすい解説

周口店動物群 (しゅうこうてんどうぶつぐん)

チョウコウテン動物群ともいう。北京市郊外の周口店洞窟の堆積物に含まれる化石哺乳類群で,シナントロプス・ペキネンシス(北京原人)と共存していたとされる。ハイエナマカイロダス(剣歯虎の仲間),シナサイ,三門ウマ,トロゴンテリウム(ビーバー),楊氏トラ,ナキウサギ,オオツノジカ,ナウマンゾウなどが含まれ,更新世中期の中国北部の哺乳類相を代表する。更新世前期から中期初頭の泥河湾(ニーホーワン)動物群とくらべ,旧北区の要素が強く,冷温帯の森林ないし草原の生活者で,より寒冷,乾燥の環境のものとされる次の黄土動物群に移行する。周口店動物群と同じ時期には,中国南部には万県(ワンシエン)動物群とよばれるものがあり,ステゴドンジャイアントパンダバク,ショウジョウ,ギガントピテクスなど温暖な森林生活者によって代表されている。長江揚子江)に沿う地帯には両者の混合動物群があり,その当時の日本列島の哺乳類相はそれの影響を受けたと思われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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