咳上・急上(読み)せきのぼす

精選版 日本国語大辞典 「咳上・急上」の意味・読み・例文・類語

せき‐のぼ・す【咳上・急上】

〘自サ四〙
① (咳上) せき上げる。むせ返る。しゃくり上げる。
浄瑠璃源平布引滝(1749)三「倶(とも)に悲しむ葵御前只ならぬ身にせきのぼす。五臓の苦しみ、御産の悩」
② (急上) かっとのぼせ上がる。いらだつ。
歌謡・宮古路月下の梅(1736‐41頃)淀染三雁金「あづまはむっとせきのぼしふたりが中へやぶれがき胸ぐら取て」

せき‐のぼ・る【咳上・急上】

〘自ラ四〙
① (咳上) せき上げる。しゃくり上げる。むせ返る。
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「とさまかくさまに思ふに、胸のせきのぼる心地して」
② (急上) あせる。のぼせ上がる。いらだつ。
※浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二「すは首尾よしと身をかため、せきのぼる気をおししづめおししづめ」

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