五臓(読み)ゴゾウ

精選版 日本国語大辞典 「五臓」の意味・読み・例文・類語

ご‐ぞう‥ザウ【五臓・五蔵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漢方で体内にある五つの内臓をいう。心臓・肝臓・肺臓・腎臓脾臓の称。五内(ごだい・ごない)
    1. [初出の実例]「仰願 割刳五蔵探百病達膏肓之隩処」(出典万葉集(8C後)五・沈痾自哀文)
    2. 「五ざうの中にもはいはかね、同気をもとめてくちもとろけもよもせまじ」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)三熊野)
    3. [その他の文献]〔史記‐扁鵲伝〕
  3. からだの内部にあって人間の感情を支配するもの。こころ。
    1. [初出の実例]「謹以三首之鄙歌、欲五蔵之欝結」(出典:万葉集(8C後)五・八六八・題詞)
  4. からだ。全身。五体。
    1. [初出の実例]「宿月毛の馬の五ざう大なるが」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

とっさの日本語便利帳 「五臓」の解説

五臓

▽肝臓、心臓、膵臓、肺臓、腎臓

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内の五臓の言及

【肝】より

…占星術的医学では,感情や欲望を生み出す欲望体が肝臓に位置を占めて大きな中心渦をつくり,この肝臓をユピテル(木星)がおもに支配しているとした。古代中国の医学が五臓(肝心脾肺腎)に五行(木火土金水)を配したように,占星術では日月を含む七遊星を内臓諸器官にふり分けていた。 魂と内臓との関係はプラトンの《ティマイオス》にさかのぼる。…

【五臓六腑】より

…先秦時代から存在している中国医学の重要な概念の一つで,古い文献では五蔵六府とされている。五臓とは心,肝,脾,肺,腎の5種の,六腑とは胆,胃,大腸,小腸,三焦,膀胱の6種の臓器の総称である。臓は精神,血気を貯蔵する充実した器官で,腑は水や穀物を消化し,体液を動かす中空の器官であるとしている。…

※「五臓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android