嗇夫(読み)しよくふ

普及版 字通 「嗇夫」の読み・字形・画数・意味

【嗇夫】しよくふ

田夫身分の低い男。〔史記、張釈之伝〕今陛下、嗇夫の口辯なるを以てして、之れを超せんとす。臣、天下風に隨ひ、靡靡(びび)として爭うて口辯を爲し、其の實の無きことをる。且つ下の上にするは景(えいきやう)よりも疾し。擧錯(きよそ)は審(つまび)らかにせざるべからず。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の嗇夫の言及

【漢】より

…このような里を最小単位として構成されている郷は,したがって自治独立の意識がさかんであった。郷には三老(教化をつかさどる)をはじめ,嗇夫(しよくふ)(税務,訴訟をつかさどる)や遊徼(ゆうきよう)(治安をつかさどる)がおかれ,またいくつかの里の警察をつかさどるものとして亭があり,亭には亭長がおかれていた。郷官と総称されるこれらの小吏は,いずれも住民の中から推挙されて郡県から任命されたものである。…

【村】より

…このような行政村は,漢代に郷亭里制として制度化される。それは百家を一里として,長に里魁を置き,十里を一亭として亭長をおき,十亭を一郷として,教化を担当する三老,賦税と訴訟を担当する嗇夫(しよくふ),治安を担当する游徼(ゆうきよう)の三職を置くという制度である(郷里制)。この郷を集めて県が,県を集めて郡が置かれ,郡・県には王朝から官吏が派遣されて,郡県制と呼ばれる中央集権的な支配が行われたが,実際の村落行政は三老,嗇夫などによって遂行されたのである。…

※「嗇夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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