田夫(読み)デンプ

デジタル大辞泉 「田夫」の意味・読み・例文・類語

でん‐ぷ【田夫】

《「でんぶ」とも》
農夫
洗練されていないこと。やぼであること。また、その人。いなかもの。
「女は都がよし、あづまは―なり」〈咄・御前男・一〉
[類語]農民百姓農夫農婦豪農富農貧農精農篤農自作農小作農農家水呑み百姓

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精選版 日本国語大辞典 「田夫」の意味・読み・例文・類語

でん‐ぶ【田夫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「でんぷ」とも )
  2. 農夫。百姓。また、いなかもの。田舎人
    1. [初出の実例]「漁人鼓枻滄浪裏、田父牽犂緑巖趾」(出典経国集(827)一四・奉和清涼殿画壁山水歌〈菅原清公〉)
    2. 「今須らく此方の田夫一人を賜はらむ」(出典:将門記(940頃か))
    3. [その他の文献]〔礼記‐郊特牲〕
  3. ( 形動 ) いなかくさいこと。洗練されていないこと。やぼであること。また、そのさま。粗野。不風流。
    1. [初出の実例]「せんぢゃうに望んでは、でんぶもきゃしゃもいらばこそ、力にまかせかたはしより打やぶったるこそ」(出典:浄瑠璃・金時都いり(1664)一)

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普及版 字通 「田夫」の読み・字形・画数・意味

【田夫】でんぷ

農夫。〔礼記、郊特牲〕冠して祭るは、田夫を息(いこ)はすなり。野夫冠す。

字通「田」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の田夫の言及

【でんぶ(田麩)】より

…室町時代から干しダイ,干しダラなどを火であぶって肉をほぐした〈ふくめ〉,あるいは〈ぼんぼり〉という料理があった。《祇園会御見物御成記》(1522)などを見ると将軍を迎えての饗膳(きようぜん)にも供されているものであるが,これが江戸時代に別系統の田夫(でんぶ)と呼ぶ料理と合体,変形して,現在のでんぶになったようである。田夫については間接的にではあるが,《料理網目調味抄》(1730)に記載がある。…

※「田夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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