出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
天皇の尊称。陛は宮殿のきざはしの意で,臣下の奏上を階段の下に侍する近臣がとりつぐことに由来し,秦の始皇帝が天子の尊称として用いたのをはじめとする。日本では養老儀制令の第1条に,臣下が上表する場合,天皇を「陛下」と尊称することが規定されている。なお同令第3条では皇后・皇太后・太皇太后の尊称は「殿下」とされているが,近代の皇室典範ではこれら三后にも「陛下」の称を用いることになった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…しかし平安時代に入るとしだいに用途が広がり,《菅家文草》には中宮(皇太夫人班子女王)や尚侍(嵯峨皇女源全姫)に殿下をつけた例が見え,さらに《九暦》に関白藤原忠平を指して殿下と称したのを早い例として,摂政・関白の敬称として多く用いられ,ついにはただ〈殿下〉といえば現任の摂政ないし関白を指すようになり,これに対し前任の摂政・関白を〈大殿〉と称するようにもなった。明治以降は,皇室典範の規定により,皇后をはじめ三后は天皇とともに陛下と敬称し,殿下は三后以外の皇族,すなわち皇太子,皇太孫,親王,王とその妃および内親王,女王の敬称と定められた。【橋本 義彦】。…
…(6)特例 憲法の保障する基本的人権が天皇にも保障されるかどうか議論が分かれているが,天皇も人間である以上,原則的に人権が保障されるべきであろう。しかし,天皇については,皇室典範によって,陛下という敬称を有するなどの特権が認められている反面,婚姻には皇室会議の議決を要するなどの制限がある。その他,天皇は氏をもたず,18歳が成年であり,戸籍法,住民登録法の適用を受けないほか,皇室の財産授受は制限を受け(憲法8条),皇室費用は予算に計上され国家が負担する(88条)など,一般国民とはいろいろな面で区別されている。…
※「陛下」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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