普及版 字通 「嗇」の読み・字形・画数・意味
嗇
13画
[字訓] こくもつぐら・おしむ
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
來(来)+(りん)。來は農作物。は農作物を収蔵する廩倉の形。〔説文〕五下に「愛(あいしよく)するなり」とあって吝嗇(りんしよく)の意とするが、稼穡したものを収蔵する倉庫の意が本義。〔説文〕にまた「來(きた)るはして之れをす。故に田夫之れを嗇夫と謂ふ」とする。〔管子、君臣上〕に嗇夫を農官とし、〔周礼、地官〕に廩人・倉人などの諸職がある。嗇して蔵することから、吝嗇の意となる。
[訓義]
1. こくもつぐら、収穫物を収蔵するところ、つむ、おさめる。
2. いなかもの、田夫、いやしい。
3. (しよく)と通じ、おしむ、はぶく、ひかえる、むさぼる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕嗇 田夫なり、ヤフサガル・オモフ・オシム・ムサボル 〔字鏡集〕嗇 ヤフサガル・ツモル・ムサボル・ハカル・アイス
[部首]
〔説文〕〔玉〕に牆およびその重文の字を属する。〔説文〕五下に「牆は垣(ゑんぺい)なり」とあり、嗇の垣をいう。
[声系]
〔説文〕に嗇声として・穡・など五字を収める。穡は嗇の繁文。十一上は「滑らかならざるなり」とあり、嗇字条に「愛するなり」とあって、吝嗇の意がある。
[語系]
嗇・穡・shikは同声。嗇・穡は廩倉、は愛の意。のち吝嗇の字に嗇を用いる。
[熟語]
嗇細▶・嗇事▶・嗇黍▶・嗇人▶・嗇夫▶・嗇民▶・嗇養▶・嗇吝▶
[下接語]
倹嗇・慳嗇・節嗇・繊嗇・吝嗇・悋嗇
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報