嚢胞性腎疾患(読み)のうほうせいじんしっかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「嚢胞性腎疾患」の意味・わかりやすい解説

嚢胞性腎疾患
のうほうせいじんしっかん

嚢胞腎腎嚢胞の二つがあり、病理学的にも臨床的にも異なる。嚢胞腎は先天的に大小多数の嚢胞が形成された腎をいう。通常、両側性で、肺、肝臓、脾(ひ)臓、膵(すい)臓などにも嚢胞を合併することがある。病状が高度に進展すると腎機能障害を伴うため尿毒症の症状を示すようになる。治療は保存的に治療するが、悪化すれば人工透析腎移植を必要とする。腎嚢胞は腎に孤立性に嚢胞が形成されたものをいう。まれに多発性、多房性、両側性のことがある。多くは無症状であるが、増大すれば側腹部痛や腹部腫瘤(しゅりゅう)が現れ、ともに血尿を示すことがある。しかし一般に全身状態や腎機能に障害をきたすことはない。治療は、嚢胞が小さければ必要ないが、大きくなって疼痛(とうつう)などの訴えがあれば経皮穿刺(せんし)や開腹手術を行うことがある。

[土田正義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android