四声猿(読み)しせいえん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「四声猿」の意味・わかりやすい解説

四声猿
しせいえん

中国、明(みん)代の戯曲徐渭(じょい)(1521―93)の作。『狂鼓史』『玉禅師』『雌木蘭(しもくらん)』『女状元(じょじょうげん)』の合本の称。『狂鼓史』は、後漢(ごかん)の禰衡(でいこう)が曹操(そうそう)をののしった故事を扱い、『玉禅師』は、杭州(こうしゅう)の伝説に拠(よ)り、玉通和尚(ぎょくつうおしょう)を誘惑し破戒させた妓女(ぎじょ)柳翠(りゅうすい)が、のちに玉通和尚の兄の月明(げつめい)和尚によって済度されるという筋。『雌木蘭』は、女の身の木蘭が、父にかわり男装し戦功をあげる話で、古詩『木蘭辞』を戯曲化したもの。『女状元』は、黄崇蝦(こうすうか)が男装して科挙に応じ、状元に及第、丞相(じょうしょう)が娘の婿に望んだことから、事は露見するが、丞相は才をめでて、息子の嫁に迎えるという筋。『女状元』のみ南曲を用い、他は北曲で書かれている。

[岩城秀夫]

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