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徐渭

美術人名辞典の解説

徐渭

明代の書画家。淅江省山陰生。字は文清・文長、号は天地・天地山人・青藤・漱仙・海笠・田水月等。行書に長じ、古文辞を能くする。また花卉図を得意とする。万暦21年(1593)歿、72才。

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デジタル大辞泉の解説

じょ‐い〔‐ヰ〕【徐渭】

[1521~1593]中国明代の文人画家紹興浙江(せっこう)省)の人。字(あざな)は文清、のち文長。号、青藤など。詩・書・画・にすぐれ、戯曲でも活躍。

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百科事典マイペディアの解説

徐渭【じょい】

中国,明代の画家,詩人。字は文長,号は天池・青藤。浙江の人。貧窮狂騒の破滅型の一生であったが,芸術的天分を多方面に発揮,詩文・書画にすぐれたばかりでなく,戯曲の創作や評論老荘仏教に関する著述もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょい【徐渭 Xú Wèi】

1521‐93
中国,明代後期の文化人。字は文清,また文長,号は天池,青藤など。いまの浙江省紹興県の人。王守仁(陽明)の弟子季本に師事,文官の地方試験には8度も落第,倭寇討伐の総督胡宗憲の私設書記を5年,のち発狂して自殺未遂を重ね,妻を殺して獄中に7年を過ごした。かくも数奇な生涯をもたらした奔放不羈の精神と不遇貧困の生活はその文学芸術のすべてにも作用し,詩では真情流露のなかに,ときとして中唐李賀に似た鬼気せまる空想や宋の蘇軾(そしよく)に似た清新な比喩をまじえ,盛唐詩の模倣という,李攀竜(りはんりゆう),王世貞らによってリードされた当時の詩界の流行には染まらなかった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

徐渭
じょい
Xu Wei

[生]正徳16(1521)
[没]万暦21(1593)
中国,明の文人。山陰 (浙江省紹興県) の人。字,文清,文長。号,青藤道士,天池山人。科挙に失敗し続け,浙江総督胡文憲の幕下に入り奇行が多かったが,文憲に代って書いた文章が世を驚かせ有名になった。しかし文憲が失脚すると人間嫌いになり,精神錯乱をきたして妻を殺し7年間下獄。出獄後は各地に遊び,晩年は郷里に引きこもり,困窮のうちに終った。多才の人でみずからは書を第1,詩を第2,文を第3,画を第4と称した。全盛期の擬古典主義を鋭く批判し,中唐の李賀,南朝の徐陵の影響を受けた詩風で,画にも独特の表現がある。また『狂鼓史』『玉禅師』『雌木蘭』『女状元』から成る戯曲『四声猿』は鋭い風刺と悶々の気を吐露したものである。ほかに戯曲論『南詞叙録』,詩文集『徐文長集』など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

徐渭
じょい
(1521―1593)

中国、明(みん)代後期の詩文書画をよくした文人。山陰(浙江(せっこう)省紹興(しょうこう)県)の生まれで、字(あざな)は文清、のち文長といい、天地と号したが、青藤(せいとう)、田水月(でんすいげつ)そのほか別号が多くある。多方面に優れた才能を示し、自らも書が第一、詩が二、文が三、画が四といったが、現在は画家としての評価がもっとも高い。詩文のほか脚本集『四声猿(しせいえん)』など戯曲の創作でも知られ、また小説『雲合奇蹤(うんごうきしょう)』は江戸時代の1752年(宝暦2)に翻訳され、日本では『通俗元明(げんみん)軍談』として刊行されている。画は水墨に徹し、花卉(かき)および蟹(かに)や魚などの雑画に優れ、『花卉雑画巻』(ワシントン市フリーア美術館、東京国立博物館)などの傑作を残している。その画風は、特定の師をもたず、伝統にとらわれずに、絵画の捨象性、水墨の偶然性を追究して、清(しん)代の花卉画の先駆をなした。その生涯は数奇を極め、早く父を失い、青年期には家が没落し、妻に死なれ、才能をもちながら郷試(きょうし)に落ち続ける(8回目で断念)などの不運に付きまとわれた。壮年期に倭寇(わこう)と戦った胡宗憲(こそうけん)(浙江省総督)に文才を認められ、信任されたが、5年後に胡宗憲が失脚し獄中死するに及び、精神に異常をきたし、三度自殺未遂し、さらに後妻を嫉妬(しっと)から殺害して7年間の獄中生活を送った。出獄した53歳以降は諸方を流浪し、晩年郷里に隠棲(いんせい)し、この間に多くの水墨花卉の傑作を描いたが、最後は藁(わら)を敷いて寝るなど困窮のうちに没した。著述に『徐文長集』『南詞叙録』などがある。[星山晋也]

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