仏教で、弟子を教育する師匠をいう。サンスクリット語ウパードヤーヤupādhyāyaの訛(なま)った音を写したもの。禅宗、浄土宗では「おしょう」とよぶが、法相(ほっそう)宗、真言宗、律宗などでは「わじょう」、天台宗では「かしょう」ともいう。和上(わじょう)とも書く。阿闍梨(あじゃり)(師)と弟子が教師と学生の関係にあるのに対し、和尚と弟子との関係は親子の間柄にある。和尚は弟子に戒(かい)を授けて僧とし、これを教育して一人前の僧にしてやる人であり、戒和尚ともいう。日本では僧侶(そうりょ)の官名の一つとなり、奈良時代に鑑真(がんじん)は大和尚(だいわじょう)に任ぜられている。中世以降は、高徳の僧を和尚といい、住職以上の僧をもこの称でよんだほか、単なる敬称としても用いられる。
[平川 彰]
和上(わじょう)とも。仏法の師・受戒の師のことで,高徳の僧の尊称。禅宗・浄土宗では「おしょう」,華厳宗・天台宗では「かしょう」,法相宗・真言宗では「わじょう」,律宗では「和上(わじょう)」と伝統的に呼称する。日本における僧侶の官位としては758年(天平宝字2)鑑真(がんじん)に授けられた大和尚位を最初とし,864年(貞観6)僧綱(そうごう)として法眼和尚位,法印大和尚位が定められた。しだいに修行を積んだ高徳の僧侶をさすようになり,転じて住職など僧侶一般の通称となった。
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…住職という呼称は,今日では宗派を問わず多く用いられているが,歴史的にみると,寺院最高位の僧職の呼称は時代により宗派により,またそれぞれの寺院によって,さまざまの異称や尊称がある。南都系や平安仏教系寺院では寺主(じしゆ),維那(いな),院家(いんけ),隠元(いんげん),浄土真宗や日蓮宗(法華宗)や時宗では上人(しようにん),禅宗では方丈,和尚,住持,長老(ちようろう)などの,住職をさす尊称がそれである。また,由緒ある大寺院ではその寺固有の歴史的呼称もある。…
…比丘とは乞食者(パーリ語のビックbhikkhu)の意味で,仏教の修行者が元来,出家・遊行を旨とし,托鉢(たくはつ)すなわち鉢を持って食を乞うて生活する沙門(しやもん)であったことに由来する。修行者はまた,教団内の役割に応じて,上座(大衆を統率する),維那(寺務をつかさどる),阿闍梨(あじやり)(大衆の教育に当たる),和尚(弟子を養育する)等とよばれ,あるいは法師(在家信者へ説法。布教者),瑜伽師(ゆがし)(禅師。…
…亀茲語のpwajjhawが和上の音写に近いといわれている。弟子のために親しく指導教授する意味から,その師匠を尊敬して和上,和尚と呼ぶに至った。ことに受戒の戒和上(尚)は有名である。…
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…亀茲語のpwajjhawが和上の音写に近いといわれている。弟子のために親しく指導教授する意味から,その師匠を尊敬して和上,和尚と呼ぶに至った。ことに受戒の戒和上(尚)は有名である。…
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少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
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