故事(読み)コジ

デジタル大辞泉 「故事」の意味・読み・例文・類語

こ‐じ【故事/古事】

昔あった事柄。古い事。
昔から伝わってきている、いわれのある事柄。古くからの由緒のあること。「―成句
[類語]謂れ由緒由来来歴縁起歴史沿革変遷道程歴程足跡そくせき歩み年輪因縁来由成り立ちルーツ始まる因る

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精選版 日本国語大辞典 「故事」の意味・読み・例文・類語

こ‐じ【故事・古事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古い昔の事柄。〔史記太史公自序
  3. 昔から伝えられている、いわれのある、また、前例とすべき事柄。古くからの由緒(ゆいしょ)ある事柄。興味ある事柄。また、それに関する語句
    1. [初出の実例]「謹案故事、兵役以後、時有飢疫」(出典続日本紀‐養老七年(723)夏四月壬寅)
    2. [その他の文献]〔漢書‐蘇武伝〕

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普及版 字通 「故事」の読み・字形・画数・意味

【故事】こじ

古事。また、先例。〔漢書、劉向伝〕是の時、宣は武の故事に循(したが)ひ、名儒俊材を招して左右に置く。生、して能く辭を屬(つく)るを以て、王襃・張子僑等と竝びに對す。

字通「故」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「故事」の意味・わかりやすい解説

故事
こじ

古典口承などによって、昔から伝えられてきたいわれのある事柄や語句。「古事」とも書く。先例や前例となるべきことから、物事の由緒を明らかにするもの、人々が教訓とすべき名言に至るまで、「いわれ」の範囲はたいへんに幅広く、ほとんど故実に類するものもある。古典世界の理解に必須(ひっす)のものが多いが、それらは単なる知識としての価値だけではなく、それらの多くは自らの身を修め、社会のために役だたせる知恵の宝といった感もあり、洗練されたその表現と相まって優れた文化遺産となっている。

[宇田敏彦]

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