回む(読み)タム

デジタル大辞泉 「回む」の意味・読み・例文・類語

た・む【回む/×廻む/×迂む】

[動マ上二]
まわる。めぐる。
「沖つ鳥鴨といふ舟は也良の崎―・みて漕ぎ来と聞こえ来ぬかも」〈・三八六七〉
道などが折れ曲がる。
岡崎をかさきの―・みたる道を」〈・二三六三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「回む」の意味・読み・例文・類語

た・む【回・廻・迂】

  1. 〘 自動詞 マ行上二段活用 〙
  2. まわる。迂回(うかい)する。めぐる。いたむ。
    1. [初出の実例]「沖つ鳥鴨といふ船は也良の崎多未(タミ)て漕ぎ来と聞えこぬかも」(出典万葉集(8C後)一六・三八六七)
  3. 折れまがる。→訛(だ)む
    1. [初出の実例]「岡崎の多未(タミ)たる道を人な通ひそ ありつつも君が来まさむ避道(よきみち)にせむ」(出典:万葉集(8C後)一一・二三六三)

回むの補助注記

連用形「たみ」のミが乙類音であるところから活用は上二段と認められる。曲がりめぐる意の上一段動詞「みる」は、より古くは上二段活用であったと推定されるが、その終止形「む」に接頭語「た」が付いたものと考えられる。→い回(た)む漕回(こぎた)む

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