国指定史跡ガイド 「土佐国分寺跡」の解説
とさこくぶんじあと【土佐国分寺跡】
高知県南国(なんこく)市国分にある寺院跡。高知平野のほぼ中央北部を、南西に蛇行しながら流れる国分川右岸沿いに所在。この北東約800mには土佐国衙(こくが)跡がある。741年(天平13)の聖武天皇の勅願によって、全国に建造された国分寺の一つで、寺跡は現在、国分寺(四国霊場29番札所)によって法灯が受け継がれており、土塁などが遺存する奈良時代の国分寺跡であり、土佐の代表的な古代寺院跡であることから、1922(大正11)に国の史跡に指定された。発掘調査は1977年(昭和52)以降いくどか行われ、瓦溜(かわらだ)めや被熱した瓦類や土器などが出土したことから、創建当時の建物が平安時代後期に火災に遭ったことが判明。寺域の南側では、東西棟の礎石建物跡が、現在の金堂北側では僧坊とみられる掘立柱建物群が検出され、現在の寺域のさらに北側に掘立柱建物、塀、溝などが確認された。なお、金堂、木造薬師如来立像(2体)、梵鐘は国の重要文化財に指定されている。JR土讃線ほか後免(ごめん)駅から土佐電鉄バス「国分寺通」下車、徒歩約5分。