日本歴史地名大系 「土岐斎藤軍記」の解説
土岐斎藤軍記
ときさいとうぐんき
別称 土岐斎藤伝記・土岐軍記・土岐斎藤略軍記 一巻 花村某著
成立 江戸初期
写本 岐阜県立図書館ほか
解説 戦国期の美濃国史を土岐・斎藤両氏を中心にまとめたもの。県立図書館の写本巻末に、本書成立の経緯を示す奥書が三種並記されている。第一は永禄一二年に花村利房が、斎藤利良の著作に「土岐軍記」「斎藤記」からの抜粋と「浅岡氏之憶説」を加えて輯録したこと。第二は文禄三年に花村利昌が永禄本に自らの見聞を加えて書写したこと。第三は元和三年に花村某が「家伝の旧記」に「慶長軍記」「太田牛一日記」および諸家旧記・古老伝説などと校合して増補したと記される。また文中に寛永一六年の記事があることから、永禄期にまとめられた原本に増補を加え、少なくとも寛永一六年以降に現在の姿になったことがうかがえる。項目に美濃国守護之事・長森城之事・革手城之事・大桑城之事・正法寺之事・稲葉山之事・岐阜并稲葉城之事・加納城之事・大宝寺之事・崇福寺之事・土岐氏来端之事・斎藤三代岐阜居住之事・天神社之事・池田輝政之事・瑞龍寺之事・常在寺之事・斎藤家来由之事・岐阜城主三代之事がある。
活字本 続群書類従二一下・「美濃明細記」付録
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報