文中(読み)ブンチュウ

精選版 日本国語大辞典 「文中」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐ちゅう【文中】

  1. 〘 名詞 〙 文章のうち。文として書かれているものの中。
    1. [初出の実例]「最も長文なりと雖も文中(ブンチウ)味ひあるに似たれば」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉三)
    2. [その他の文献]〔李程‐攻堅木賦〕

ぶんちゅう【文中】

  1. 南北朝時代、南朝の長慶天皇の代の年号。建徳三年(一三七二四月改元、文中四年(一三七五)五月二七日に至って次の天授となる。

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日本の元号がわかる事典 「文中」の解説

ぶんちゅう【文中】

日本の元号(年号)。室町時代(南北朝時代)の1372年から1375年まで、長慶(ちょうけい)天皇の代の南朝が使用した元号。前元号は建徳(けんとく)。次元号は天授(てんじゅ)。1372年(建徳3)4月改元。災異改元とも考えられているが、改元の理由・経緯はわかっていない。また、命名の出典も不詳。文中年間の北朝の天皇は後円融(ごえんゆう)天皇。北朝では応安(おうあん)(1368~1375年)、永和(えいわ)(1375~1379年)の元号を使用した。同年間の室町幕府将軍は足利義満(よしみつ)(3代)。おもに九州を舞台として、南朝と北朝の戦いが展開された時期である。室町幕府の九州探題となった今川貞世(さだよ)(了俊(りょうしゅん))は1372年(文中1/応安5)に、南朝の征西将軍懐良(かねなが)親王が拠っていた大宰府を陥落させ、北朝方の拠点として九州での攻勢を開始した。これに対して、南朝方の菊池武朝(たけとも)らが激しく抵抗を続けた。

出典 講談社日本の元号がわかる事典について 情報

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