土岐(読み)トキ

デジタル大辞泉 「土岐」の意味・読み・例文・類語

とき【土岐】

岐阜県南東部の市。中心土岐津ときつ陶磁器製造が盛ん。人口6.0万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「土岐」の意味・読み・例文・類語

とき【土岐】

  1. [ 一 ] 岐阜県南東部の地名多治見と並ぶ美濃焼発祥地で、陶磁器の生産を主とする。昭和三〇年(一九五五)市制。
  2. [ 二 ] 岐阜県の南東部の郡。昭和一五年(一九四〇)以降、郡内に多治見・瑞浪・土岐の三市が成立

とき【土岐】

  1. 姓氏の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土岐」の意味・わかりやすい解説

土岐(市)
とき

岐阜県東濃(とうのう)地方にある陶磁器工業都市。1955年(昭和30)土岐津(ときつ)、妻木(つまぎ)、下石(おろし)、駄知(だち)、泉(いずみ)の5町と鶴里(つるさと)、曽木(そぎ)、肥田(ひだ)の3村が合併して市制施行。JR中央本線、国道19号、21号、363号が通じ、中央自動車道土岐インターチェンジ、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジがあり、両自動車道は土岐ジャンクションで接続している。陶磁器製造は、西流する土岐川や支流に沿って分散する盆地で行われ、生産額は東濃の他の都市をしのぐ。和飲食器には、土岐津、泉の番煎茶碗(わん)、下石の徳利、駄知の丼(どんぶり)、肥田の皿などがあり、洋飲食器の生産も、土岐津、妻木をはじめ各地に発達している。また、東濃研究学園都市構想が進められ、土岐プラズマ・リサーチパーク、核融合科学研究所などがある。南部の高原には柿野(かきの)、曽木の温泉があり、三国山は美濃(みの)、尾張(おわり)、三河にまたがり、眺めがよい。交通の便のよい丘陵地では、住宅地、工業地などの開発が進んでいる。また、泉地区の久尻(くじり)には乙塚古墳元屋敷窯跡があり国指定史跡である。美濃の壺石白山神社ハナノキおよびヒトツバタゴは国の天然記念物。妻木の標高約400メートルの城山は、土岐(妻木)氏の城跡で、麓(ふもと)に武家屋敷跡もある。なお、同所の八幡(はちまん)神社では毎年10月に流鏑馬(やぶさめ)の神事がある。面積116.02平方キロメートル(境界は一部未定)、人口5万5348(2020)。

[上島正徳]

『『土岐市史』全3巻(1970~1974・土岐市)』


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改訂新版 世界大百科事典 「土岐」の意味・わかりやすい解説

土岐[市] (とき)

岐阜県南東部の市。1955年土岐津,泉,妻木,下石(おろし),駄知の5町,鶴里,曾木,肥田の3村が合体,市制。人口6万0475(2010)。市の北部を土岐川が西流し,東部を肥田川,中央部を妻木川が北流して土岐川に注ぐ。市域の大部分は丘陵地で平地に乏しい。古くから美濃焼の産地として知られ,元屋敷陶器窯跡(史)などの古窯跡が残る。明治以降,とくに中央本線の開通後は陶磁器の生産が活発となり,一大生産地帯に発展した。おもに飲食器を生産し,旧来は駄知のどんぶり,妻木のコーヒー茶わん,下石のとくりなど生産品に地域的分化がみられたが,近年はどこも日常用食器の生産を行っている。零細工場による生産が大部分で,とくに和飲食器の規模は小さい。中央自動車道土岐インターチェンジがあり,現在のJR中央本線の電化や国道19号,21号,363号線などの道路が整備されて住宅地化が進んでいる。広い山林を利用した県青少年総合活動センターなどの公共施設も設置されている。天然記念物に美濃の壺石,白山神社のハナノキ,ヒトツバタゴがあり,古墳や窯跡も多い。1963年に市北部でウラン鉱床が発見され,一時期本格的探鉱が進められた。
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百科事典マイペディア 「土岐」の意味・わかりやすい解説

土岐[市]【とき】

岐阜県南東部,東濃丘陵上の市。1955年市制。中心地区は土岐川北岸の泉町と,南岸の土岐津で,中央本線,中央自動車道が通じる。多治見市の東隣にある窯業都市で,市の製造品出荷額の約5割(2003)を占める。古くから駄知のどんぶり,泉の煎茶茶碗,下石(おろし)の徳利など地域によって生産品が分かれていたが,近年はいずれも日常用食器を生産し,輸出もされる。寒天も産する。元屋敷陶器窯跡(史跡),美濃の壺石(天然記念物)がある。116.02km2。6万475人(2010)。
→関連項目志野焼

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