朝日日本歴史人物事典 「土岐満貞」の解説
土岐満貞
南北朝時代の武将,尾張国(愛知県)守護。土岐揖斐頼雄(頼康の兄弟)の子。伊予守。島田氏を称す。頼康から美濃・尾張・伊勢3カ国守護を継承した兄康行の代官として在京していたが,土岐氏の惣領職を望む野心から,尾張守護代で従兄弟の土岐肥田瀬詮直のことを,反逆の意思ありと将軍足利義満に讒言。土岐氏の勢力削減をもくろむ義満の利用するところとなって,尾張守護職を与えられる。明徳1/元中7(1390)年尾張に下向したところ,詮直と黒田宿で合戦となり,これが康行の室町幕府に対する反乱(土岐康行の乱)に発展。康行を没落に追い込んだが,翌年の山名氏清が幕府に反した明徳の乱で卑怯な行動があったとして,明徳3/元中9年,尾張守護を改替された。
(谷口研語)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報