在日アメリカ軍駐留経費負担(読み)ざいにちアメリカぐんちゅうりゅうけいひふたん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

在日アメリカ軍駐留経費負担
ざいにちアメリカぐんちゅうりゅうけいひふたん

在日アメリカ軍の維持費に対する日本の財政負担。1978年に金丸信防衛庁長官が衆議院予算委員会で行なった答弁の表現から「思いやり予算」とも呼ばれる。日米地位協定は,アメリカ軍の維持費はアメリカ合衆国が負担することを原則としているが,1970年代からの日本の物価賃金高騰,およびアメリカの財政悪化を背景に,1978年日本政府は,在日アメリカ軍の駐留を円滑かつ安定的にするため,基地内で働く 2万人あまりの日本人従業員の福利費を自主的に負担する施策を講じた。1979年には隊舎や家族住宅をはじめとする設備費などの負担も開始した。その後,日米地位協定の範囲外について規定し,日本の負担を拡大する特別協定が結ばれた。日本政府は 1987年から日本人従業員の退職手当や住宅手当など 8手当,1991年から日本人従業員の基本給やアメリカ軍基地の光熱水費など,1996年から日本側の要請による訓練の移転に伴う費用を負担している。特別協定は数年ごとに協議され,新たに締結されている。予算額は 1978年から毎年増額され,1990年代後半には 2700億円超に達したが,その後日本の財政悪化などから漸減した。

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